エジプト大使館 Stone-Art コレクション

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国際交流団体の理事長とのご縁から大使館の広がり増えていった。

初めてベラルーシ大使館へ作品を納品した後、エジプト大使館で開催される親善交流パーティーで、エジプト大使館の特命全権大使にコレクションしてもらえるきっかけがある日突然、理事長から訪れた。

 

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日本とエジプトの文化交流を
【愛】をテーマに作成して欲しい。
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大変ありがたい依頼が来たと思った矢先、別のご縁から個人作品の創作依頼が舞い込んできたのだ。

その方は、作品のオーダー注文をしてきた。内容を聞いて僕は驚いてしまった。

「萌えキャラを石で表現して欲しい。表現方法は全て貴方に任せる。一点だけ絶対にここだけは、こだわって欲しい所がある。右下から風が吹き、めくれたスカートの中のパンティは、真っ白な純白の大理石で表現して欲しい。作品の金額は、好きな金額を請求書で出してくれればすぐ払う」

純白な大理石で、パンティを表現して欲しいというこだわり。なんというこだわりだ。少しも、黄色が入ってる大理石はNG、絶対条件が純白のパンティ。。。。

しかも、作品の金額は言い値で良い。

エジプト大使館は、お金をいただいてつくる訳ではない。意義があるから、創作したいと強く思った。

この時、僕には借金が残っていた。それも、かなりの金額だ。お金だけの事を考えるのであれば、間違いなく、萌えキャラを表現する仕事を受けるだろう。ただ、お客様と同じように僕にも石に対してこだわりがあったんだ。

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純白な大理石で桜を表現したい
純白な大理石でパンティは表現したくない

お金を得ないで桜を表現するか
お金を得てパンティを表現するか

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究極の二者択一の決断を迫られる。

それはそれは、円形脱毛症になってしまうのではないかと思うくらい悩んだ (笑)

「おぃIshitaro。お前には家族がいて借金があるんだ。優先順位を間違えるな。大きなお金が入るんだ。パンティを創作するのも、お客様が喜ぶのであれば立派なアートだぞ。」

「おぃIshitaro。お前には家族がいて借金があるのはわかる。しかし、自分の芸術を全うし、意義を追求するのが芸術家だ。芸術家が金を追って妥協したら、お前はニセIshitaroだ」

こんな会話が自分の中で、何度も繰り広げられる。自分の弱い所がたくさん出てきて、喉から手が出る程、お金が欲しかった。

最終的に、僕はパンツ創作は丁寧に断り、エジプト大使館 特命全権大使へ、作品を創る道を選んだ。

2ヶ月かけて、集中創作をして作品を完成させ、無事に特命全権大使の元にStone-Artは嫁ぎに行った。

コレクション後も後悔しそうになる気持ちは何度か込み上げてきた。かなりの年数が経過した今、あの時を振り返ると改めて

決断は正しかった!と断言する事ができる。

特命全権大使のコレクションは、さらに大使館の縁を深め結果、作品の評価に繋がった。

芸術活動をしていると、目先のお金に心動かされそうになる出来事が何度も起こる。
そんな時こそ、自分が芸術家をやっている本当の意義を持つ事が大切になる。

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お金よりも意義を優先すると必ず結果に繋がる。
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この出来事は、僕にとって最も悩みながらも自分の意義を優先できた経験となった。

あの時もし、僕が目先のお金に欲を出し
純白の大理石でパンティを創作する道を選んでいたら

今のIshitaroは存在しなかっただろう。


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