人生は教科書、人の意見は参考書

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美大の人間と沢山ぶつかった中で感じた事

 

僕は最終学歴は中卒、美術大学には行っていない。

と、いうよりも行こうとも思わなかった。そもそも

【先生】という職業の人達が嫌いだった。

中学の時から、バイトを始めた事で学校の勉強についていけなく

なったのも影響したかどうかはわからないが、何故、何のために

勉強をするのか全くわからなかった。先生に質問しても、予測できる

答えしか返ってこず、納得する答えをくれた先生は一人もいなかった。

 

生徒に納得をさせる事ができない大人が、先生という職業でお金を稼いでいる。

自分の質問に答えてもくれない大人から学ぶ事なんて一つもないと思っていた。

授業中に、先生に対して幸せについての議論を申し込むなど、生意気だったかもしれない。

 

机上の空論・教科書論的な発言が僕は嫌いだった

芸術家として独立してから、美大卒の人間達と何度もバトルをした事もある。

確かに、物凄い芸術の歴史や知識はもっている。だからなんだ?という感じだった。

 

 

中には口の立つ美大出身の人に、上から目線で馬鹿にされた事もある。

中卒だと伝えるとそれはそれは、まるで下等生物のような扱いまでしてきた人間もいた。

悔しい思いもいっぱいした。

 

~あなたの作品は芸術的観点からすると・・・・~芸術的観点ってなんだ。。。

その学術的な視点で評価をされることに腹が立った。テストの点数で100点を取りたくて

僕は芸術人生を歩んでいるわけではなかったからだ。

 

ルセルデュシャンがトイレの便器に架空の芸術家のサインをして、アートだと定義した

現代アートの始まりを知った時、僕の中では凄くしっくりきたし、新しい概念というものが

評価される時代が訪れたと心が躍った事を覚えている。

 

 

マルセル・デュシャン 【泉】

 

視覚的無関心なオブジェに対してどうこう言いたいわけではなく、

日常、目にするモノに対して新しい思考を創出したことで

のちのコンセプチュアルアートが誕生し、新しい芸術概念が根付いた。

 

便器君もさぞかし喜んだ事だと思う。

便器という誰もが知っている日常的な文脈を

芸術の世界の扉を開いて持ち込み【作品化】したことが尊敬に値する。

まさに未常識から常識を生み出した瞬間ではないか。泉に万歳!

 

便器の話で脱線してしまったが

美術大学に行く目的が明確であるならば、それは素晴らしい勉強の場になるかもしれない。

 

ただこれだけは言えるのは、美術大学は生徒に生計を立てる方法を教える事はできない。

だから美大を出ても芸術家だけで生計を立てられる人間は稀にみるほどの確率になる。

 

 

芸術家も評論家も作家も、みんな教師になっていく。日本では知識や芸術をつかさどる人間が

社会で発揮する事のできる舞台は、【学校】しかない。文化人の行きつく先が大学教授であるならば

ますます若者に夢を語ってもしかたがないし、それほど適当すぎる助言はないのではないかと

僕は思っている。

 

大学という機構に守られてる人間が夢を語っても説得力などあるわけがない。

。。。と否定ばかりしているが、僕が言いたいのは人の意見に流されないで、

自分の意見を持たないと芸術人生など歩めるわけがない、と言うことである。

美大を出ていない中卒というだけで、相当な否定を受けたことが何度もあるが、

意見に従って美大に行こうなどとは、絶対に思わなかったし思いたくもなかった。

 

美大を卒業しないと芸術家で生計を立てる事はできないのか?という

疑問に対して、自分自身で証明したかったからだ。

 

世の中には肯定から生まれる職業は沢山ある。

仕事を始めた時に否定をくらった経験は少ないのではないだろうか?

新卒で就職が決まれば喜ばれ祝福される。上場企業に勤めたらさぞかし喜ばれるだろう。

しかし、芸術の世界はそのほとんどが【否定】から生まれるスタートを歩む。

作品が売れるまでは、まさに否定の嵐だ。他人からの否定と戦い。そして自分の否定との戦い

 

 

様々な人の意見や助言を無視しようと言っているのではなく、

人の意見は参考書と考える必要がある。

 

自分の教科書を持たないで、

人の参考書だけをあてにして生きた人生の先に、

自分の道を作る事はできない。

 

僕自身も、今まで様々な人や権威者にあって、

色々なアドバイスをもらい、実践してきた事がある。

言われたとおりに作品を創ってみたこともある。

 

ただ、これだけは言えるのは、

自分の芯が無い状態でアドバイス通りに動いたとしても

決して満足いく作品や結果は得られなかったということだ。

 

自分の歩んできた人生を振り返り、人生の教科書から大切な事を学び

活かすポイントを知り、時に参考書を時に取り入れながら学習していく。

そうすると、今までにない作品ができるかもしれない。

 

「貴方は美大も出ていない自称芸術家で

小学生みたいな石ころ作品ですね。」と、鼻で笑ってきた人もいた。

ぶち切れてその場でテーブルをたたいて叫んだ事もある。

 

そんな否定と戦いながら自分との葛藤を繰り返す。

 

自分との葛藤は非常に苦しい時間ではあるが

芸術人生を歩む以上、避けては通れない時間だと理解している。

最大のライバルは自分自身かもしれない。

 

僕は学校の教科書というものは全く見なかったが

人生の教科書を日々、じっくりと読む機会が増えた。

 

芸術のみならず、どんな職業職種であれ、

自分の意見、芯をもって生き抜いていく事が大切なのではないだろうか。

 

人生は教科書、人の意見は参考書

Ishitaro

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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