絵を上達させる為に必要な努力とは

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絵が上手いだけでは稼げない

世の中には、絵がものすごくうまい人が沢山いる。

 

 

見た瞬間、引き込まれるような画力を持つ画家や、絵なのか写真なのか
わからないほど、リアルに描ける画家の画力に、圧倒される事もある。

 

しかしアートの世界を見渡してみると、ものすごく上手に絵をかける人でも、

ほとんど稼げていない人が沢山いる。

絵が上手い人はいくらでも世の中にいるが実際に稼いでいる芸術家は一握りしかいない事実がある。

 

上手いと売れるは違う

 

絵が上手いのと、絵が売れるというのは
根本的に違う事だと僕は思っている。

 

若手の芸術家に会うと

~どうすれば、自分の絵を上達させる事ができるのか~を真剣に考えている人が多いが、

その前に考えるべき大切な事がある。

 

 絵を上達させるための努力というのは
〜絵が上手く描けるようになる為の努力〜
ではなく、絵を上達させるという事が、
何の為に何故、必要なのか、そして、自分が
表現する芸術というものが何を求めているのかを追求し、考える事が必要だ。

 

 

あなたが表現する絵は、何を哲学し
その表現をしているのか、そこを明確に
言えるものがなければ、どれだけ絵を
うまく描けるようになっても、稼ぎには直結しないだろう。

 

偉大な書道家の教え

 

 今から数年前
偉大な書道家の個展に参加をさせて頂いた時に僕はこの事に気づくことができた。

 

大きな紙に、丸と点が激しく表現されてる
作品や、一本の棒が描いてある作品。
点がいっぱいある作品など、
【文字を表現する書道家】とは、全く別次元の芸術家だった。

 

しかし値段を見て僕は衝撃を受けた。

 

丸に点の作品が60万円。棒作品が120万位だったと記憶している。

平均すると50万から200万円程の作品が個展会場に沢山展示され、

その作品のほとんどのが購入されていたのだ。

 

目が点になったのを覚えている。

 

 僕はどうしても聞きたい事があり
会場にいた先生の所に行きこんな質問してみた

 

「この作品はどれぐらいの時間で表現できるものなんでしょうか?」

「うーん。大体数秒かな?」

「数秒で表現したものが
50万円や100万円で売れるって、凄いですね。僕は衝撃を受けました。」

 

 「まぁ確かに、実際には表現する時間は数秒だけど、この作品が生まれる〜その瞬間〜を待つために最低でも1年から3年ぐらいは様々なことを考え、様々な事を自分の中でぶつけ合いながら葛藤を続け、そして無償に表現したくなった瞬間の数秒で、表現しているんだよ。つまりは1つの作品の表現に数秒ではなく、数年間という努力をした結果がここに数秒で表現されたということなんだ。

上手に文字を書く書道家は、世の中にいくらでも存在する。しかしそういう書道家に限ってお金を稼ぐことができていないという現実があるんだ。私は文字を上手に書くための練習をしたことなど一度もない。文字を上手に書くための努力など芸術の世界では必要ないんだ。」

 

この言葉を偉大な書道家から聞いた時に、
僕は今まで自分がやってきた事は間違っていなかったんだと、確信を持つ事ができた。

 

 

技術と哲学の違い

 

絵を上達させる為の努力とは、技術面の
努力ではなく、哲学面の努力だという事。

 

そして、自分にしかない哲学を追求した
土台の上に、技術や画力というものが
肉つけされて初めて、ARTは完成する。

 

世界的な芸術家ダミアンハーストの哲学

 

世界的な芸術家、ダミアンハーストは
【死生観】を追求し続けた結果、
ホルマリン浸けにしたサメをBoxに入れて
ARTにしてしまったのだ。世界でも有名なARTである。

 

 

より、リアルな生と死を表現する為に
行き着いた表現なのだろうと、僕は解釈している。

 

まさに哲学の上に自由に表現をし、世界から認められた作品だ。

決して枠にはとらわれていない。

 

ダミアンハーストが、もしサメの死体を
額の中に〜絵で表現〜していたら、今の地位が
あるだろうか?それはありえないと思う。

 

芸術は哲学に吸収された上で表現されるもの。

 

【絵を上達させる為の努力】は、
言い換えると、
【絵を表現する為の哲学をする努力】と言えるだろう。

 

僕自身も、石を砕いて
〜宇宙からの贈り物〜というテーマで
表現をしているが、出来上がった作品を
見て、「綺麗ですね」「これ、石でできてるんですか!凄いですね」と
言われると、ちょっと悲しい気持ちになってしまう事もある。

 

何故ならば、表向きに表現された
作品はあくまで作品であって、魂は
その裏側に込めているからだ。

 

僕の石工哲学は破壊と創造。

 

石を砕き破壊し、再生できた集合体が
創造物を生み出す。再生する為に求められる
ものが石工の技術だ。

 

ビックバンから地球が誕生し、
破壊と再生を繰り返しながら、時代を創造してきた。

この地球の始まりが、爆発という
破壊から成り立っている。

 

文明の歴史を、知っている世界中の
石達が、地球上の中で巡り巡って
僕の元に集まってきた。そして僕はその
石を破壊して、新たな創造物を作っている。

 

 

地球上に存在する70億の人間の中で
僕にしかできない。

いつの日か、この石工哲学が
大きな世界に行く為の鍵になる事を
楽しみにしながら
日々砕き続けよう Ishitaro


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